今回の動画は北海道でのアポなし旅動画の第4回目でした。
第1回~第3回目までは実際にはアポありの話だったので、ここからが真のアポなし旅ということになります。
内容的には車に乗ってローソンに寄ってから市場に行くだけというものですが、個人的には、こういう内容の方がメンバーの個性や素の面白さが見られる気がするので好きですね。
さて、今回も発音面で気になった点を挙げてみます。
前回に引き続き、冒頭・締めのあいさつ共にありませんでした。
旅動画の間は引き続きこの状態が続くと思われます。
なにわ男子で「句読点」と言えば、2023年8月22日動画のしりとり24ループチャレンジという企画の中で大西くんが発したワードとして知られています。
西畑くんによる「句読点」の発音
この「句読点」、「くとうてん」と読むと学校で習ったような記憶があって、ずっとそういうものだと思っていたのですが、今回の動画の中で西畑くんが「くどうてん」と言っているようでした(車の運転に伴うノイズやBGM、残響等のせいでこちらが聞き間違ったのかなとも思いましたが、音響分析してみると「く」の後の子音閉鎖区間が極めて短く、閉鎖の開放部分も弱化しているなど、tよりもdに近い特徴を示していました)。
単なる言い間違いの可能性もありますが、「うみ」+「かめ」→「うみがめ」の例のように、連濁(語と語が組み合わさって複合語になる際に後部要素の先頭の音に濁点が付く現象)が起こって「く」+「とうてん」→「くどうてん」のようになる可能性もあるし、「日本」が「にほん」とも「にっぽん」とも読めるのと同じような感じで「句読点」も2つの読みを持っている可能性もあるかもしれません。
ということで、「句読点 読み方」みたいなワードでちょっと検索してみたのですが、「くとうてん vs. くどくてん」の間でどちらが正しいかみたいなやつはヒットするものの、「くどうてんとも読みます」的な解説のようなものは出てきませんでした。
漢字の読み方に地域差がある場合もある(例えば、九州地方の地域名では「原」を「はら」ではなく「ばる」と読んだりします)ので、関西では「くどうてん」のように読むのが一般的ということもあるかな・・・?と考えてもみましたが、少なくとも大西くんや他のメンバーも「くとうてん」と言っているようだったので、それも違いそうな気がします。
そんなわけで、自分が知る範囲で色々可能性を考えてみた結果、単なる言い間違いだったのかな?という解釈に達しました。
ちなみに、「くとうてん」と「くどうてん」の違いは2文字目が「と」か「ど」か、より厳密に言えば2文字目の子音がtかdかという点にあり、子音の分類上、tは無声歯茎閉鎖音でdは有声歯茎閉鎖音となるため、この2つは声帯振動の有無という点で区別されるペアということになります。
子音の分類についてより詳しく知りたい方は、用語解説のページに子音の分類についての説明を設けているので、そちらをご参照ください。
普段からなにわTube動画ではアクセント関連で興味を惹かれることが多いのですが、今回は藤原氏(とその後おそらく道枝くん)の発言の中に出てきた「ハイチュウ」のアクセントがとても興味深かったです。
「ハイチュウ」のアクセント
「ハイチュウ」のアクセントは一般的には「ハイチュウ」(下線なし太字で「高」、下線付きで「低」を表しています)のように頭高のアクセントになるかと思います(なにわ男子によるハイチュウのCMでもそのような発音になっています)。
が、今回の動画では「ハイチュウ」のようにすべて「高」(出だしだけ微妙で、「低」と「高」の中間くらいで始まっているような気もしますが)で平板型として発音されていました。
藤原氏だけならたまたまだった可能性もありますが、その後続けて道枝くんも平板型で発音していたので、これは偶然ではなさそうです。
関西方言ではこのように言う(CMでは標準語に合わせて普段とは異なるアクセントで発音していた)のかなと思い、知り合いの二人の関西出身の人(一人は大阪、一人は神戸)に確認してみたところ、平板型では言わないとのことでした。
方言によるものではないとすると、なぜ平板化したのかなという疑問が湧いてきますので、以下、勝手に可能性を考えてみることにします。
アクセントの平板化と言えば、まず思い浮かぶのは若者言葉に多いという点で、「彼氏」が「かれし」→「かれし」、「彼女」が「かのじょ」→「かのじょ」、「パンツ」が「パンツ」→「パンツ」など、もともとは頭高だった語が平板化して読まれがちなので、なにわ男子がデビュー後に東京で生活する時間が多くなり、東京の若者言葉に触れる中でハイチュウが平板化するに至った可能性が考えられるかもしれません。
ただ、管理人の周りの若者たちがハイチュウを平板化させて発音しているのは聞いたことがないので、この説明は無理がありそうな気がします。
その他の可能性として、なじみ度が高くなった単語や特定の分野で使われる専門用語等は平板化しやすいとも言われるので、ハイチュウ関連のCM等の仕事をする中で、なにわ男子の中でハイチュウという語へのなじみ度がどんどん上がっていった(または、一般的なお菓子としてではなくCM等の職務に関連する語としての認識がなされていった)結果、平板化したという解釈も可能かもしれません。
なんにせよ、ハイチュウを平板化して発音しているのを聞くのは初めてだったので、個人的にとても印象に残りました。
本文中で取り上げたメンバーの発言や音声・図はすべて下記の動画の該当部分(具体的な個所は本文中に明記)から引用したもの。