今回の動画は北海道のアポなし旅の第5回ということで、メンバーが市場に行って色々と食べまくるという内容でした。
今回も動画の中に日本語の音声に関する有名な現象がたくさん出てきていたので、取り上げてみたいと思います。
前回の続きからの動画で、かつ次回に続くということで、今回も冒頭あいさつ・締めのあいさつともにありませんでした。
このサイトでは過去に何度も出てきた話題ですが、日本語では単語と単語が組み合わさったときに後ろの単語の先頭に濁点が付くことがあります(「ごみ」+「はこ」→「ごみばこ」)。
これは「連濁」と呼ばれる現象ですが、今回の動画ではこれが山のように出てきていました(用語解説のページに連濁に関する基本的な説明を載せているので、必要に応じてご参照ください)。
食べ物関連のものだけピックアップしてみます。
本来であれば「毛」+「かに」なので「けかに」でもおかしくないはずですが、「けがに」となっています。
「漬」は単独では「つけ(る)」ですが、「おやこ」+「つけ」→「おやこづけ」のようにここでも連濁が起こっています。
「べに」+「さけ」→「べにざけ」(×べにさけ)ですが、大西くんの発音では「鮭」が「さけ」ではなく「しゃけ」となっていて、全体としては「べにじゃけ」と言う発音になっていました。
「さけ」と読むにせよ「しゃけ」と読むによ、どちらにしても連濁が起こっています。
ここでも「かに」が後部要素となる複合語が出てきていますが、「たらば」+「かに」→「たらばがに」のように連濁が起こっているのがわかります。
発音自体は出てきていませんでしたが、テロップの中にホタテ貝が出てきていました。
「ほたて」+「かい」→「ほたてがい」と、やはり連濁が起こっています。
連濁が起こらない場合
ここまで、連濁が起こっている例ばかり取り上げてきましたが、連濁は常に起こるとは限りません。
連濁の起こりやすさに関連する要因は様々あるのですが、そのうちの一つとして「外来語に関しては連濁が起こりにくい」という傾向が知られています。
今回の動画に出てきていた典型的な例だけ挙げておきます。
「カニグラタンコロッケ」に関しては、「(カニ)グラタン」+「コロッケ」→「(カニ)グラタンゴロッケ」とはならず、「(カニ)グラタンコロッケ」のように濁点は付かない形となります。
同様に、「焦がしキャラメル」が「焦がしギャラメル」とはなることもありません。
「外来語には連濁が起こりにくい」という傾向があるため、「コロッケ」も「キャラメル」もどちらも連濁を起こさなかったと考えられます。