なにわTube【2023年10月24日】感想文

今回の動画は北海道のアポなし旅の第5回ということで、メンバーが市場に行って色々と食べまくるという内容でした。

今回も動画の中に日本語の音声に関する有名な現象がたくさん出てきていたので、取り上げてみたいと思います。


冒頭・締めのあいさつ

前回の続きからの動画で、かつ次回に続くということで、今回も冒頭あいさつ・締めのあいさつともにありませんでした。


連濁

このサイトでは過去に何度も出てきた話題ですが、日本語では単語と単語が組み合わさったときに後ろの単語の先頭に濁点が付くことがあります(「ごみ」+「こ」→「ごみこ」)。

これは「連濁」と呼ばれる現象ですが、今回の動画ではこれが山のように出てきていました(用語解説のページに連濁に関する基本的な説明を載せているので、必要に応じてご参照ください)。

食べ物関連のものだけピックアップしてみます。

1分23秒付近:毛がに

本来であれば「毛」+「に」なので「けかに」でもおかしくないはずですが、「けに」となっています。

なにわTube動画 2023年10月24日1分23秒付近より

2分52秒付近:サーモン親子漬

「漬」は単独では「つけ(る)」ですが、「おやこ」+「け」→「おやこけ」のようにここでも連濁が起こっています。

なにわTube動画 2023年10月24日2分52秒付近より

2分54秒付近ほか:紅鮭

「べに」+「け」→「べにけ」(×べにさけ)ですが、大西くんの発音では「鮭」が「さけ」ではなく「しゃけ」となっていて、全体としては「べにじゃけ」と言う発音になっていました。

「さけ」と読むにせよ「しゃけ」と読むによ、どちらにしても連濁が起こっています。

なにわTube動画 2023年10月24日2分54秒付近より

6分56秒付近・7分53秒付近:タラバガニ・本たらばがに

ここでも「かに」が後部要素となる複合語が出てきていますが、「たらば」+「に」→「たらばに」のように連濁が起こっているのがわかります。

なにわTube動画 2023年10月24日6分56秒付近より
なにわTube動画 2023年10月24日7分53秒付近より

13分41秒:ホタテ貝

発音自体は出てきていませんでしたが、テロップの中にホタテ貝が出てきていました。

「ほたて」+「い」→「ほたてい」と、やはり連濁が起こっています。

なにわTube動画 2023年10月24日13分41秒付近より

連濁が起こらない場合

ここまで、連濁が起こっている例ばかり取り上げてきましたが、連濁は常に起こるとは限りません。

連濁の起こりやすさに関連する要因は様々あるのですが、そのうちの一つとして「外来語に関しては連濁が起こりにくい」という傾向が知られています。

今回の動画に出てきていた典型的な例だけ挙げておきます。

なにわTube動画 2023年10月24日5分45秒付近より
なにわTube動画 2023年10月24日6分30秒付近より

「カニグラタンコロッケ」に関しては、「(カニ)グラタン」+「ロッケ」→「(カニ)グラタンロッケ」とはならず、「(カニ)グラタンロッケ」のように濁点は付かない形となります。

同様に、「焦がしキャラメル」が「焦がしギャラメル」とはなることもありません。

「外来語には連濁が起こりにくい」という傾向があるため、「コロッケ」も「キャラメル」もどちらも連濁を起こさなかったと考えられます。


参考文献・出典

本文中で取り上げたメンバーの発言や音声・図はすべて下記の動画の該当部分(具体的な個所は本文中に明記)から引用したもの。

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