用語解説:連濁

「ごみ」という単語と「はこ」という単語が合わさると「ごみはこ」ではなく「ごみこ」となるように、2つの単語が組み合わさって一つの複合語になるとき、後ろの単語の先頭にある清音に濁点が付く現象を「連濁」と言います。

名詞と名詞の組み合わせだけに限らず、「遅+咲き → おそざき」などのように、様々な品詞について生じうる現象で、日本語母語話者であれば連濁を起こした表現を無意識に使い、違和感なく受け入れているはずです。

連濁とは

2つの単語が組み合わさって一つの複合語を形成する際、後部要素の語頭の清音に濁点が付く現象。
・ごみ + はこ → ごみばこ
・あみ + と → あみど
・かわ + くつ → かわぐつ

ただし、常に後部要素の語頭の清音に濁点が付くとは限らない
・中+島 → なかじま/なかしま
・豚+汁 → ぶたじる(とんじる) vs. 味噌+汁 → みそしる(×みそじる)

連濁の起こりやすさに関係する条件(の一部)
・日本語の中での定着度:和語など、日本語に昔から存在している単語の方が外来語のように最近入ってきた単語よりも連濁を起こしやすい
【例】外来語では、「オープン+カー → オープンガー」のような変化はまず起こらない
・構成要素となる単語に濁音が含まれているかどうか:すでに単語に濁点が含まれていると連濁が起こりにくい
【例1】長+島 → ながしま(×ながじま)(※前部要素「なが」にもともと濁音「が」が含まれているため)
【例2】日+影 → ひかげ(×ひがげ)(※後部要素「かげ」にもともと濁音「げ」が含まれているため)
・その他、語の構造や意味など

連濁は常に起こるというわけではなく、似たような単語の組み合わせでも起こる場合と起こらない場合があります。

その場合にもいくつかのパターンがあり、中島(なかじま/なかしま)や中田(なかだ・なかた)のように連濁を起こす場合と起こさない場合の2通りの読み方がある場合もあれば、「小+木」(おぎ)に対して「大+木」(おおき)のように、名前としての読み方は1つに絞られるが、同じ後部要素でも前の要素が何であるかによって連濁が起こる場合(小木)と起こらない場合(大木)があるなど、なかなか複雑なことになっています(日本語を母語としない人にとっては、覚えるのがとても難しいことでしょう・・・)。

和語(日本語に昔から存在している単語)の方が外来語よりも連濁を起こしやすいとか、すでに単語に濁点が含まれていると連濁が起こりにくいなど、連濁が起こりやすい条件、起こりにくい条件が存在するということは知られていますが、今のところ絶対的な規則のようなものは無いと言われています。


【参考】なにわTubeの動画の中にもこの「連濁」という現象が絡む表現が頻繁に登場するので、このサイトの感想文の中にも「連濁」に関連する話題がたびたび登場しています。

参考までに過去の例をいくつか挙げておきますので、興味のある人はご覧ください。

なにわTube【2022年8月9日】感想文:連濁ほか なにわTube【2022年10月11日】感想文

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