なにわTube【2023年7月25日】感想文

今回の動画は、前回に引き続きメンバーが決めた2023年の目標をやってみるということで、大橋君のリーダー論が語られました。

今回も発音面で気になった点をいくつか挙げていきます。


冒頭・締めのあいさつ

今回は前回の内容からの続きということで冒頭あいさつはありませんでしたが、前回とは逆に締めのあいさつの方はありました。

特に変わった点もなく、いつも通りの締めのあいさつだったという印象です。


言い間違い?

言い間違い(speech error)の研究は人間の言語のメカニズムを知るうえでの手がかりを与えてくれる重要なデータであるということもあり、このサイトでもこれまで繰り返し取り上げてきていますが、ちょうど今月最初のなにわTube動画の中に以下のようなあるあるが登場していたので、今回改めて取り上げようかと思います。

2023年7月4日のなにわTube動画(14分36秒付近)より引用

これは西畑くんに関するあるあるとして長尾くんが提案したものですが、今回もおかしな発音になっているのにゴリ押ししていると思われる部分があったので、いくつか例を挙げながら見ていきます。

1分27秒および1分53秒付近:リーダー論

今回のテーマである「リーダー論」ですが、西畑くんの最初の企画説明のときに不思議なアクセントで発音されていました(1分27秒付近)。

その後、1分53秒付近では割と普通(下がり目のタイミングが若干遅めで音節内ではなく音節間下降っぽく聞こえる気がしますが、1分27秒に比べれば極めてまとも)に発音されていたので、最初の方はたまたま言い間違って出てきた発音であると見なしてよいでしょう。

変わったアクセントの「リーダー論」

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年7月25日1分27秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

まあまあ普通の「リーダー論」

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年7月25日1分53秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

さて、1分27秒の方の「リーダー論」はぱっと聞いた感じでは「リーダーろん」(太字が高い、下線が低い、なにも付いていない部分が中くらいとして、高高中中中低)のような不思議なパターンで発音されている感じですが、どういう経緯でこのような変わったアクセントが出てきたのかと推測してみました。

とりあえず「リーダー」と「論(ろん)」は単語単独ではそれぞれ「ーダー」(高低低低)と「」(高低)です。

また、この2つの単語が合わさって複合語になると、「リーダーろん」のようになり、「リーダー」と「ろん」の部分は単独の場合とは異なる音調を持つことになります。

単独の場合と複合語になった場合で共通するのは最初の「リ」(どちらにしても「高」)と最後の「ん」(どちらにしても「低」)のみで、残りは単独では「高」だが複合語では「低」(またはその逆)のように中途半端な感じになっています。

もし、片方では「高」だがもう片方では「低」という部分が平均化されて「中」という中途半端な音調が出来たとすると、「ーダーろ」(高中中中中低)という感じになることになりますが、このように出来上がった音調は上で挙げた「ぱっと聞いた感じの印象」とかなり近い音調となっています。

ということで、西畑くんが発音する際、単語単独の場合のアクセントと複合語になったときのアクセントが発音している最中にごっちゃになってしまって両者の間を取ったような発音になってしまったと考えると、それなりに説明が付くかもしれないな、と思ったりしました(もちろん、単なる推測なのであくまで可能性の一つということですが・・・)。


20分10秒付近:占ってもいいですかに出て・・・

アクセントとは別の話題になりますが、西畑くんが発した「占ってもいいですかに出て」という発音に関して、tの調音時間(閉鎖区間)が長くなり「占っても」と「出て」がそれぞれ「占っっても」「出って」のようになっていました。

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年7月25日20分10秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

これも「リーダー論」のアクセントと同様、西畑くんが言い間違ったのにゴリ押ししている例だと考えることもできますが、そうではない可能性もあるかもしれません。

ここで挙げた発音の特徴はtの調音時間が長くなっているという点にありますが、一般に次に何を話すかを考えながら話している時には、考えるための時間稼ぎとして「えー」というフィラーを入れたりポーズを長めにとったりすることはあるので、これと同じようにtの調音動作を長くすることで時間稼ぎをしたのだと考えることもできそうです。

ただ、日本語の場合は重子音と単子音の区別があり、子音(閉鎖音・摩擦音・破擦音などの阻害音)の調音時間が長くなると促音(小さい「っ」)が入っているように聞こえてしまうので、今回の発音のようにtの調音動作を長くして時間を稼いでしまうと、本来ないはずの促音が入ってしまい言い間違ったように聞こえてしまうことになるでしょう。

実際にどうだったのかはこの動画の例だけでは判断が付きませんが、仮に今回のケースが上記のような状況に該当するならば、「言い間違ったのにゴリ押し」ではなくてどちらかというと「高度なテクニック」に近いということになるのかもしれませんね。

[参考] 閉鎖音や摩擦音など、子音の種類の名称や分類方法については、用語解説の子音の分類に関するページがあるので必要に応じてご覧ください。

用語解説:子音の分類

参考文献・出典

本文中で取り上げたメンバーの発言や音声・図はすべて下記の動画の該当部分(具体的な個所は本文中に明記)から引用したもの。

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