なにわTube【2023年7月4日】感想文

今回の動画はなにわ男子あるあるの最新版をメンバーで検討するという内容でした(なお、前回のあるある動画はデビュー前の2021年5月25日にジャニーズJr.チャンネルでのものでした(道枝くんによれば撮影日は2021年4月28日とのこと))。

今回も気になった点をいくつか取り上げてみます。

普段であれば冒頭・締めのあいさつの有無の観察から始まって、気になった発音をいくつか挙げる感じですが、今回は動画のテーマが「なにわ男子あるある」だったということで、普段なにわ男子の音声の分析をしていて感じるあるあるを挙げてみようかと思います。


冒頭・締めのあいさつあるある

「せーの」のsが編集で切られがち

なにわTube動画の冒頭あいさつは「せーの」「ちゅきちゅきー」「どうも~」「なにわ男子でーす」から成るのが基本パターンです。

このうち、「せーの」のパートが最も省略されてしまいやすい(もし省略されるとしたら、まず対象となるのが「せーの」である)ことはよく知られた事実ですが(なにわTube観察記:あいさつデータ編参照)、「せーの」のパートが省略されていない場合でも、細かく見ると「せ」のsの音が編集でカットされてしまっていることがちょくちょくあります。

今回の動画でも、sの大半が削除されてしまい、eが出てくる直前の0.020秒程度の長さしか残されていないような状態でした(以下に実際の音声を示します)。

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年7月4日冒頭部分) ※再生時は音量にご注意ください

よく聞いてみると、はっきりとした「せ」ではなく、微妙な音になってしまっているのが分かるかと思います(管理人の英語音声学の講義を受講している人は後期の授業で実際に体験してもらいますが、「s+母音」という構造でsの部分を徐々に取り去っていくと、「ts+母音」や「t+母音」(もしくはdやラ行子音+母音)のような音に聞こえます。今回の「せーの」が若干「つぇーの」「てーの」っぽく聞こえるのはそのためです)。

なお、管理人はあいさつの各パートの持続時間(長さ)を毎週計測し、それが長い間にどのように変化してきているかを調べたりもしています(昨年はそれを学会で発表してみたりもしました)が、客観的に変化を調べるためには一貫した計測の基準を設定することが求められます。

「せーの」に関してはsが切られていたりいなかったりで安定した指標にはならないので、あいさつの経時変化を調べる際にはsの部分は含めないという基準を設けて分析するようにしています。


動画に出てきたあるあるについて

今回のあるある候補の中には音声に関連することが含まれていたので、それについても触れておきたいと思います。

テンションアップで声帯4歳

これは長尾くんに関するあるあるとして大西くんが出したものです。

「テンションアップで声帯4歳」というのは、以下の音声にあるようにテンションによって普段の声質とはかなり違う声に変化するということを言いたいのだろうと思います。

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年5月9日10分40秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

個人的には4歳の声というよりは大山のぶ代さん(昔のドラえもんの声の人)みたいになるイメージです。

なお、管理人が一番ドラえもんっぽくて好きな長尾くんの声は、ちょうど2年前のあるある動画に出てきた「やめてって」という音声です(この声の独特さが決め手となり管理人は長尾くん推しになりました)。

当該部分の音声(なにわTube動画 2021年5月25日16分44秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

なお、大西くんが長尾くんの「声帯4歳」のモノマネとしてやったのは以下の音声です。

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年7月4日22分35秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

大西くんによるモノマネは長尾くんの声の特徴をよくつかんでいると思いますが、長尾くんの場合は声の高さはそこまで高くならないまま声質だけが変化するのに対し、大西くんによるモノマネでは声がめちゃくちゃ高くなっているので(長尾くん 400 Hz 程度に対して大西くん 600 Hz 越え)、単に似せることだけを重視するのであればもっと声を低めに抑える必要があることになります。

なお、声質は声の周波数特性によって変わります。以下の図は、最初のやつが通常のa(本日の動画の中の道枝くんの発音に出てきたa)、2つ目が長尾くんがテンション上がったときのa(上記の「やめてって」に出てくるa)、3つ目が大西くんによるモノマネに出てきたaのスペクトルになります。

動画からの音声ということで、他の人がしゃべっている声が重なったりしているので必ずしも正確な値が得られるとは限らないことを断ったうえで、この3つの図を比較すると、最初の図では800 Hzや1200 Hz付近にピークがあり、それより上の周波数帯はそれほど目立たないのに対し、2つ目と3つ目ではピークの位置が全体により高い周波数帯(図で言うと右の方向)にシフトしている様子が分かります。

図1: 通常のa
図2: 長尾くんのテンションが上がったときのa
図3: 大西くんによるモノマネのa

「どうも」「以上」の後声めっちゃ揃う

ぱっと聞いた感じだと「どうも」や「以上」の後は声が揃って聞こえるようにも思えますが、以前から音響分析で0.00x秒レベルまで観察し続けている者からすると、それほど揃っているとは言えない場合が多いです。

管理人の印象では、「どうも」や「以上」の後の「なにわ男子です(でした)」の出だしで「な」のnの音が極めて長い人がいて、「nnnnなーにわ男子です(でした)」のように「な」のaも長くなるパターンが頻出しており(特に、「以上」の後に多い気がします)、個人的にはこれが「どうも」「以上」関連のあるあるの一つかなと思う次第です。

なお、nが伸びたり「な」のaが伸びて「なー」のようになってしまうのは、7人全員がそうしているのではなく、言い始めのタイミングを見計らうため、nだけを発音しつついつでも続きが言えるように発音する少数のメンバーがいるためであるように思います(なにわTubeの動画だと録音環境が必ずしもいいわけではなさそうなのと、BGMも被ってくるのではっきりとは断定できません。)。

西畑大吾、甘噛みでもゴリ押しの時ある

西畑くんのあるあるとして長尾くんが出したものです。

個人的には、以前は甘噛みすると周りのメンバーも突っこんでいたし、西畑くん自身も「西畑最近口がゆるなってんねんな」と言ったりしていましたが、最近はメンバーも指摘しなくなったし本人も何も言い訳しなくなったような印象を持っていたので、このあるあるはとても共感できました。

(もしかして、あまりに甘噛みが頻繁になってきてネタにできなくなってきたとかでしょうか?)。


参考文献・出典

本文中で取り上げたメンバーの発言や音声・図はすべて下記の動画の該当部分(具体的な個所は本文中に明記)から引用したもの。

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