なにわTube【2023年2月7日】感想文

今回の動画は道枝くんのご褒美企画ということで、福島から山形への旅の動画となっていました。

先週のなにわTube動画は新曲のMVのみで、通常の動画は一週間ぶりということになります(ここのところ毎週動画の内容と何らかの音声学関連のことと結びつけて感想文を書くというのが習慣になっていたこともあって、たった一週間延びただけなのにかなり時が経ったように感じます)。

屋外ロケの場合は周囲の雑音のせいで細かい発音が聞き取りにくい面があるので、今回は細かい発音とは関係しない部分に絞って気づいた点を挙げてみます。


冒頭・締めのあいさつ

今回の動画では、冒頭あいさつはあったものの締めのあいさつがありませんでした。

単発の動画の場合は締めのあいさつが入りやすいのですが、今回は7人旅動画(連続もの)の第1回目という位置づけなので、あいさつが入らなかったということだと思われます(過去の旅動画でも同様のパターンでした。来週以降もしばらくはあいさつがない回が続きそうな予感です・・・)。

なにわTube動画では、冒頭あいさつに比べて締めのあいさつが省略されやすいという傾向があるのですが、締めのあいさつは2022年11月22日以降、省略されることなく連続出現記録を更新し続けていました。

今回、締めのあいさつが無くなったことで、記録更新がストップしてしまった格好となり、ちょっと残念ではあります。


道枝くんによる「せーの」と「どうも」

冒頭あいさつの「せーの」と「どうも」の部分は、通常だと西畑くんが言う部分ですが、今回は道枝くんが代わりに言っていました。

西畑くん以外のメンバーが担当することはこれまでも結構ありましたが、言い方の特徴はメンバーによっても、また、その時の状況によってもかなり変わります。

「せーの」は省略されやすいので毎回安定して出てくる「どうも」に絞って話をすると、今回の道枝くんの「どうも」はdの破裂の開放時点から言い終わりまでにおよそ0.35秒ほどで、声の高さは区間全体の平均で300 Hz(最大値が321 Hz程度)でした。

西畑くんの「どうも」の場合、0.30秒を切ることもよくあり、声の高さは低いときでも区間平均で350 Hz程度、高いときには400 Hz近くまで行くこともあるので、それと比べてみると、道枝くんの「どうも」はややゆっくりめで、低めの発音だったと言えます。

以上は西畑くんの「どうも」との比較でしたが、道枝くん自身が過去の動画で発音した「どうも」との比較ではどうでしょうか?

まだデビュー前の動画(ジャニーズJrチャンネル時代)の中で、道枝くんが「どうも」の部分を担当している動画がわずかですがあるので、それ(2021年8月10日動画。ちなみに、2021年2月16日動画でも道枝くんが「どうも」を担当していますが、ピッチの計測がうまくいかなかった(雑音など、録音状況の問題と思われる)のでそちらは除外)と比べてみると、昔は「どうも」の発音の所要時間が0.46秒ほどで、声の高さは380 Hzほどだったので、過去と比べると、早口で低めの声になっていると言えます。

道枝くんの「どうも」:2023年2月7日

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年2月7日冒頭あいさつ) ※再生時は音量にご注意ください

道枝くんの「どうも」:2021年8月10日

当該部分の音声(ジャニーズJrチャンネル動画 2021年8月10日冒頭あいさつ) ※再生時は音量にご注意ください

西畑くんの「どうも」については何十個もデータが揃っているので、これまでのデータと比較して特徴を議論しやすいのですが、道枝くんによる「どうも」はまだサンプル数が少ないので、今回挙げたような特徴が本当にあるのか、それとも今回比べてみたサンプルがたまたまそういう特徴だっただけなのかについては判断が難しいところではありますが・・・。

さて、このように「ある単語の発音が時と共にどのように変化していくか」を調べるにあたっては、同一の話者が異なる日時に何度も同じセリフを発言してくれる(そして、それが長期間続く)環境が理想的で、なにわ男子の冒頭・締めのあいさつは同じ人(または人たち)が同じセリフを毎週発音してくれる(そして、これが長期間にわたって続くことが予想される)という点でこの条件を満たしています。

同一話者のデータが理想的という発想に基づくと、西畑くんが常に「どうも」を言ってくれるのが理想的ということになるわけですが、この観点からは今回の動画で締めのあいさつの連続記録が途切れてしまったのと同様、冒頭あいさつに関しては同一人物による「どうも」の連続記録が途切れてしまったということにもなり、その点で少し残念ではあります。

ただ、西畑くん以外のメンバーがある程度の頻度で「どうも」を担当してくれるのであれば、それはそれで発音の経時変化を追うことができるようになるので、それはそれで面白いなと思います。

参考文献・出典

本文中で取り上げたメンバーの発言や音声・図はすべて下記の動画の該当部分(具体的な個所は本文中に明記)から引用したもの。

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