なにわTube【2023年5月2日】感想文

今回は相関図シリーズの藤原氏版ということで、藤原氏の交友関係が明らかにされるという内容でした。

今回もことばの発音関係で気になった点をピックアップしてみたいと思います。


冒頭・締めのあいさつ

前回で7人旅動画が終わり、今回から冒頭・締めのあいさつが再び出現するようになりました。

冒頭あいさつと締めのあいさつが揃って出現したのは、なにわTube動画としては2023年3月7日の動画以来となるので、ほぼ2か月ぶりにのこととなります。

毎週なにわTube動画を見てあいさつがあるかないか(ある場合、どんな発音になっているか)を調べるのが習慣になっているので、あいさつが出てくるだけでテンションが上がるようになってきてしまっています。

さて、あいさつの分析では、あいさつを「せーの」「ちゅきちゅきー」「どうも」「なにわ男子です」のような感じで要素に分けて、持続時間(音の長さ)や高さなどを計測していくことになります。

持続時間については0.00x秒みたいな単位まで計測することになるので、正確に計測するためには開始点がきちんと定義できなければなりませんが、状況次第では開始点の定義が事実上不可能となることもあります。

これまでは計測不可能になるのはBGMや効果音、雑音が重なってしまって音声波形がかき消されてしまうような状況が大半でしたが、今回はそれとは異なりメンバーの発音のタイミングがバラバラ×一部のメンバーが言い方にアレンジを加えているために開始点が不明瞭となる状況が冒頭あいさつの「ちゅきちゅきー」の部分で発生していました。

一過性のものかとは思いますが、今後もずっと同じような感じだと計測対象から外さないといけなくなるかもしれないので注視したいところです。


促音(小さい「っ」)の有無の知覚

12分29秒付近ほか:バファローズ/バッファローズ

藤原氏と言えば大のオリックス・バファローズファンであり、2020年12月に放送されたラジオ『なにわ男子のオールナイトニッポンPremium』などでは #バッファローズじゃないよバファローズだよ というハッシュタグをトレンド入りさせようとするくらいに「バファローズ」(×バッファローズ)の発音にもうるさいことでも知られています。

そんな藤原氏ですが、たまに「バッファローズ」のように促音(小さい「っ」)を入れて発音する場合があったりします。

以前にもなにわTube動画感想文の中で書いたことがある気がします(2022年8月23日動画感想文など)が、管理人は音声学の中でも特にこの促音の知覚の専門家であるということで特にこの話題に関心があり、今回またオリックス関連の話題が出てきていたタイミングだったので取り上げてみます。

まずは今回の動画の中で出てきた藤原氏による「バファローズ」の発音部分の音声を例示します。

藤原氏によるオリックス・バファローズの発音

その1(12分29秒付近)

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年5月2日12分29秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

その2(12分43秒付近)

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年5月2日12分43秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

その3(12分55秒付近)

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年5月2日12分55秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

その4(13分5秒付近)

当該部分の音声(なにわTube動画 2023年5月2日13分5秒付近) ※再生時は音量にご注意ください

以上のバファローズの発音はいずれも日本語として(※2022年8月23日動画のように英語の発音を真似て発音するという環境ではない、という意味です)発音されたものですが、管理人にとっては3つ目の音声であればはっきり「バファローズ」に聞こえるものの、1つ目の音声は「バッファローズ」のように聞こえ、2つ目と4つ目は中間くらいに聞こえます。

促音(小さい「っ」)の有無は、子音(この場合は「フ」の子音部分)が長いかどうかが知覚(聞き取り)に際の主要な手がかりとなり、長ければ促音が入って「バッファローズ」のように、短ければ促音が入らず「バファローズ」のように聞こえます(具体的にどの程度の長さがあれば促音があるように聞こえるのかについては個人差があるので、4つとも促音が入って聞こえる人もいるかもしれないし、逆に全部促音が入って聞こえない人もいるかもしれませんが、それ自体は問題ありません)。

一方で、促音の有無の知覚は子音の長さ以外にも前後の母音の長さや単語のアクセント型、発話速度など様々な要因の影響を受けることが知られているので、明らかに「バファローズ」に聞こえるような発音をすることは意外に難しいうえに、「バファローズ」に関しては既存の英語からの外来語に関する知識の影響も受けることになる(英語のbuffalo(es)=バッファローズという認識があるため、音声そのものの情報は重視せずトップダウン的に「バッファローズ」だと判断してしまいがちになる)ので、本人が「バファローズ」と発音したつもりでも意外にそう聞こえないということが生じうることになります。

以前のラジオで #バッファローズじゃないよバファローズだよ を混同して逆に #バファローズじゃないよバッファローズだよ としてしまう人もいたことが話題になっていましたが、そうなってしまうのも理解できるなというところです。

さて、音声学というのは発音に関する悩みを解決することに役立つ学問なので、「バッファローズではなくバファローズである」ことを伝えたい藤原氏に対して、音声学者として「よりバファローズらしく聞こえるように発音するための方法」をお伝えしたいところです。

ただ、きちんと原理を説明しながら書くとなるとかなり長くなるので、この感想文シリーズとは別の機会にしっかりと文章をまとめたいと考えています。


参考文献・出典

本文中で取り上げたメンバーの発言や音声・図はすべて下記の動画の該当部分(具体的な個所は本文中に明記)から引用したもの。

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