なにわTube【2023年8月27日】(24時間テレビ終了直後の生配信)感想文

通常の火曜日の夜にアップされるものとは異なり、24時間テレビ終了直後にYouTubeでの生配信という形式の動画でした。

番組終了直後でとても疲れているはずなのにメンバー全員が笑顔で配信をしてくれていて、改めてすごい人たちだなと感じます。

さて、今回は普段とは違って生配信なので効果音が入っていないのは良かったのですが、撮影場所が普段と違って雑音が多く、細かい音声の分析にも適さない感じだったので、今回はいつものような細かいレベルの話ではなく、「24時間テレビ」にちなんだ若干抽象的な(音韻論・形態論的な)レベルの話を取り上げてみようかと思います。


冒頭・締めのあいさつ

今回は冒頭・締めのあいさつ共にありませんでした。

インスタライブ等でも冒頭・締めのあいさつは無いことが多いような印象なので、今回は生配信ということであいさつが無かったということでしょうかね。


数字の読み方に見られる不規則性

ちょうど今、管理人の務めている大学は集中講義期間中で、集中講義のオーガナイザー的な役割をしている関係で音声学に関する集中講義を聴講しているのですが、その中で、日常の中に存在する様々な疑問に気づくことが研究の第一歩である、という趣旨の話があり、その例として数字の読み方に関する不思議として以下のような例が出されていました。

1円いちえん
10円じゅうえん×いちじゅうえん
100円ひゃくえん×いちひゃくえん(×いっぴゃくえん)
1000円せんえん×いちせんえん(△いっせんえん)
10000円×まんえんいちまんえん

上記の例で言うと、1000までについては、「いち」は付けずに「じゅう」「ひゃく」などの単位に「えん」を付けて言う(「いち」を付けるとおかしくなる)のに対し、10000からは「いち」がないとおかしくなるという点が不思議だということになります(どれに「いち」に当たる要素を付けるかに関して、中国語や韓国語は日本語と異なっていてさらに興味深いところですが、割愛します)。

こういった観点から「24時間テレビ」の「24時間」について考えると、これもなかなか興味深いところがあります。

まず、「24」という数字の読み方を考えると、まずは「4」を「し」と読むか「よん」と読むかでバリエーションが出てきます。

管理人自身の直観だと、お風呂で「いーち、にーい、さーん、しーい、・・・」と数を数えていくような場合は4を「し」と読む(し、じゅうし、にじゅうし、さんじゅうし、・・・)のに対して、「4+助数詞」という構造の場合は、「よん」と読む(よんかい、よんまい、よんほん、・・・)かなと思います。

で、よくよく考えてみると「24時間」に関してはなぜか「にじゅうよんじかん」ではなく「にじゅうよじかん」と「よん → よ」となっていますよね(時刻を言うときの「4時」とかも「よんじ」ではなく「よじ」ですね。4を「し」と読んで「しじ」はさらにおかしいですね・・・)。

4に関連して「よっつ(×よんつ)」のような言い方もあるので、「よんじ → よっじ → よじ」みたいな変化もあり得るかもしれませんが、規則的に発生した形ならもう少し似たような語例が出てきてもおかしくないような気がするので、うーん・・・となってしまいます。

ともかく、これまで何十年にもわたって「24時間テレビ」という名称を耳にしてきましたが、無意識に「にじゅうよじかん」と言ってしまっていて「24」の部分の発音が他とは異なるということに全く気付いておらず、目からウロコといったところです。

別の観点で、日本語での数の数え方としては「いち、に、さん、し、・・・」という系列と「ひとつ(ひい)、ひたつ(ふう)、みっつ(みい)、よっつ(よー)、・・・」という系列とがありますが、時間を言うときは通常は前者の系列(「いち、に、さん、・・・」)に「時(または時間)」をくっつけていくのに、「4」だけは「し」ではなく「よん」と後者の系列が使われるのも考えてみると不思議です。

こうした体系の中の不規則性については、音声学的な要因が働いて生じていることもあれば、語源や何らかの歴史的な変化が関わっているなど、発音とは全く別の要因によって生じている可能性もあります(もちろん、深く研究してみた結果、法則などまったく見当たらない(ただ偶然そうなっているだけ)という結果になるかもしれません)が、ともかく、普段無意識に素通りしてしまうような矛盾や不規則性に気付くことが研究の第一歩であるという話でした。


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