今回は北海道アポなし旅企画の第一弾とのことで、なにわ男子がアポありでエスコンフィールドを見学するという内容でした。
ツアー中の旅動画については、昨年だと広島を7人で旅する動画(全5回)が8月末~9月末にかけてアップされましたが、今年は場所が北海道になっただけでなく、アップ時期も若干後ろ倒しになっているようです(昨年と同じく全部で5回分であれば、10月いっぱいまで北海道の旅企画ということになるでしょうか)。
さて、今回も発音面で気になった点を挙げていこうと思います。
毎回のことですが、まずは冒頭と締めのあいさつについて。
前回・前々回とドラマ撮影で不在だった西畑くんが戻ってきて、今回は7人でのあいさつとなりました。
本人も鼻声だと言っていて体調不良だったのか、普段よりも掛け声のテンションが低めだった(声の高さで言うと、普段は平均で300 Hz代後半くらいであることが多いのに対し、今回は220 Hz程度とかなり低かった)点が目立ちますが、それ以外の面では通常通りのあいさつでした。
また、今回の動画はシリーズものの第1回目ということで、締めのあいさつについてはありませんでした(シリーズものの場合、最終回で締めのあいさつが来るのがこれまでのパターンです)。
今回は撮影場所が野球場(エスコンフィールド)ということで、「グラウンド」という単語が何度か出てきました。
この単語を見ると、管理人は20年ほど前に聞いたある研究発表を思い出します。
思い出すとは言っても、具体的にいつ、だれがどこで発表したものかは全く覚えておらず、覚えているのは発表の概要ですが、「aiとauでは音韻的に振る舞いが違う」という点を指摘した研究でした。
その具体例の一つとしてこの「グラウンド」が出されていたのですが、今回の動画でまさにその指摘通りのことが起きていました。
指摘の中身を簡潔に言うと、「グラウンド」のようにauという音が含まれる単語(特に、外来語)は、しばしばuが落ちて「グランド」のようになってしまうというものです(他にも、merry-go-roundが「メリーゴーラウンド」ではなく「メリーゴーランド」になってしまう、など)。
実際に、藤原氏が「グラウンド」と発音している音声(2か所)を例示しますが、テロップでは「グラウンド」と書かれていても、実際の発音では「グランド」になってしまっていることが分かります。
「グラウンド」の発音の例
それに対して、aiが含まれる場合にi(=音韻論的にはiもuも同じ高母音)が落ちてしまう例は滅多にないということで、aiとauは振る舞い方が非対称的だという主張がなされていました。
その研究発表では、なぜこのような非対称性が起こるのかについても知覚実験等を通して議論していたような覚えがあるのですが、残念ながら具体的なことは覚えていません。
色々と単語を調べてみると、auだから常にuが取れてしまうというわけでもなく、ちゃんとuが残ったまま発音されるケースも普通にあるのですが、ともかく、言語における非対称的な音変化の一例が今回出てきたということで取り上げてみました。